表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬


『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』 (若林 正恭/文春文庫) 
👉#緑色の処方箋
「社会生活に疲れたときに寄り添う」
 
 ✨ 効能
緑色のように疲れの回復と心の軽さを促す
 
 📖 名言
サル山と資本主義の格差と分断から自由になれる隠しコマンド。俺にとってそれは〝血の通った関係と没頭〟だった。


 この国の〝世間の信仰〟と新自由主義が生む〝格差と分断〟の相性は格別に悪いと思う。でも、世間は言う「空気を読め」と、新自由主義は言う「個性で稼げ」と。

 
 📖 あらすじ・感想
格差、競争社会に疲れたオードリー若林が、逃亡した!
「新自由主義や資本主義」とは違う別のシステムで生きる人を求めて 楽園キューバへ――。


大切なものは、ひとつじゃなくていい。 むしろ、3つくらいあるほうがちょうどいい。 家族、仕事、友人、恋人、趣味、コミュニティ。 どれも“自分”という形を描く、大事な軸たちだ。 けれど大人になると、いつのまにか一つに頼りすぎてしまう。 

「仕事がすべて」「家庭がすべて」──そんなふうに。 ひとつにしがみつくと、ひとつの生き方しかできなくなる。 世界が急に狭くなり、息が詰まってしまう。 

 思えば、学校が苦しかったのも同じだ。 そこしか居場所がないように感じていた。 「このクラスでうまくやれなきゃ、自分の居場所はない」── そんな小さな社会で、必死にもがいていた。

 大人になっても、それは形を変えて続く。 職場という社会にしがみつき、成果やスピードを競い合う。 まるで、止まったら落ちてしまうベルトコンベアの上にいるようだ。

 日本は「個性で稼げ」と「空気を読め」が共存する、 少し息苦しい社会だと思う。 だからこそ、いくつかの軸を持つことが大事なのだ。 仕事がうまくいかなくても、友人と笑える夜がある。 家族とぶつかっても、好きな本に救われる時間がある。 

人生は、ひとつの場所だけで完結しない。
いくつもの居場所を持つことは、逃げではなく、生きる工夫だ。 それは“秘密基地”のようなもの。 自分だけの心の秘密基地をつくること。 誰かに与えられるものじゃない、自分で見つけるもの。 その小さな場所があるだけで、世界は少しだけ生きやすくなる。


 📖 魔法の質問

あなたの秘密基地にはどんなものがありますか 


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