「読書セラピーとは」
はじめに
読書セラピーは、ビブリオセラピー(読書療法)とも言われます。
ビブリオセラピーとは、ギリシャ語で本を意味する「ビブリオ」と、癒しを意味する「セラペイア」が語源になっており、本によって癒しを得ることを指します。
読書のセラピー効果は、アメリカ、ヨーロッパでは古くから活用されており、イスラエルでは、読書セラピストが国家資格に、イギリスでは、精神科医が本を処方するという医療システムが2013年に創設されています。
しかし、日本ではセラピストとして資格認定する機関がなく、広まっていない状況です。
また、日本には読書セラピーの定義もなく、日本語で参考にできる文献もあまりありませんでした。
そこで、本の処方箋のサービスを立ち上げるにあたり(1)「心と体が楽になる読書セラピー 著 寺島真理子」と(2)「フィクションが物語るビブリオセラピーの勧め 著 泉順子」の二つの著書を参考にしました。謹んでお礼申し上げます。
効果
読書セラピー(ビブリオセラピー)は、
読書中に読者の内面で起こる3 つのプロセスが重視されています。
①同一視と投影
読者は、自分と登場人物との共通点、問題との類似点、生き方への共鳴などから解決へのヒントを得ることができる。逆に違和感を覚えた場合は内省や再考を促すことになる。
②除反応とカタルシス
読者は感情を開放できる。物語が悲劇的であれば恐れや憐みの感情を募らせて、鬱積した感情が代わりに放出される。それによって感情のバランスが取れる。
③洞察と統合
読者が抱えている問題を扱う新しい方法を発展させる。
・人知を超えた何かしらの力で解決すること
・改めて問題をとらえなおしたり、受け入れる
・問題を新たな側面から見直す機会を得る
・自分と周囲の思考のバランス調整する
・自分の内面が世界に与える影響を認識する
(参考文献「フィクションが物語るビブリオセラピーの勧め 著 泉順子」)
この3つのプロセスを意識し読書することで自分自身を癒すことができるのです。
本選びのコツ
本を選ぶときは、
①おもしろそうだと思うもの
②今の自分の感情にあいそうだと思うもの
③今の自分の状況にあいそうだと思うもの
④全部じゃなくて、読みたい1文だけ読んでもいい
と考えていただけるといいと思います。
おもしろくないと読めないですし、落ち込んでいるときに元気いっぱいな本は余計に疲れたりします。
慰められたいのに「自己啓発本」はあいそうにないですし、逆に整理整頓したいときは「自己啓発本」もありです。
要するに「役に立ちそう」はやめて、そのとき「とても惹かれる」「面白そう」と心が喜びそうな本を選んでください。
また、疲れすぎてるときは
「絵本とか自然とかの写真集」もおすすめです。
究極に、言葉に敏感な日は、
本じゃなくて、音楽やただ空を見上げるのも、いいかもしれません。
(参考文献「心と体が楽になる読書セラピー 著 寺島真理子」)
感情に合わせた、カテゴリーで本をまとめています。
今の気分にあうおもしろそうだと思える本があれば、是非読んでみてください。